会社を守るために加入しておきたい中小企業倒産防止共済~あなたの会社は加入してますか?~

会社を守るために加入しておきたい中小企業倒産防止共済~あなたの会社は加入してますか?~

千葉県佐倉市の中小企業診断士の横山です。

あなたの会社は中小企業倒産防止共済制度(通称:経営セーフティ共済)に加入しているでしょうか?

この共済制度は、中小企業にとって最も心強いおススメな保険であると言っても過言ではありません。

いざという時に会社が潰れるのを防いでくれると同時に、またコストパフォーマンスも最高の保険であると言えるでしょう。

今回は、この経営リスクの多い時代だからこそ加入してほしい中小企業倒産防止共済について説明します。

1.中小企業倒産防止共済とはそもそも何か?

中小企業倒産防止共済とは一体何なのかという事ですが、この共済制度は経済産業省が所轄する中小企業基盤整備機構という独立法人が運営している企業向け保険制度の一種であります。

つまり、国の公的機関による支援の一種であるという事です。

保険と聞くと高くつきそうというイメージがあり、どこか警戒心を持たれてしまう方もいると思われます。

しかしこの中小企業倒産防止共済は、政府が中小企業を倒産の危機から守ることを目的とし、中小企業倒産防止共済法という法律に基づいて行われるサービスなので安心感が持てるかと思われます。
次に具体的な内容について説明します。

そもそもこの共済制度がどのようなサービスを提供してくれるのかというと、この共済制度は「取引先が倒産して資金繰りが困難な時に融資をしてくれる」制度です。

資金繰りについてはどの企業にとっても大きな経営課題の一つでありますが、特に緊急時の資金繰りについてはまさに危急存亡の課題と言っても良いでしょう。

10年以上前に起きたリーマンショックですとか、昨今のコロナ不況によって倒産した会社も多いところです。

多くの人の心に深い傷跡を残した2012年の東日本大震災、あるいは豪雨災害などの自然災害も日本では毎年のように発生しています。

そして、リアルタイムで続いているコロナウイルス感染拡大に対する世界的不況や、ウクライナ侵攻による原油高等の影響など、常に企業の連鎖倒産のリスクをはらんでいます。

日本の経営環境は常にそのようなリスクに晒されているのだという事を考えると、緊急時の資金繰りに関する支援を受けられる事がいかに大切か理解できるところでしょう。

ちなみに、融資については最大8,000万円まで、しかも無利息、無担保、無保証人で受けることができます。


2.掛金と返戻金、具体的な融資額について

次に具体的な掛金と返戻金、そして実際にどのくらい融資を受けられるのかについて説明します。

まず掛金についてですが、月額で月々5,000円から加入する事ができるので、意外と手ごろな制度設計になっています。

最大で月々20万円まで5,000円刻みで掛金を増やす事ができるので、会社の財務状況に合わせて掛金を設定することができます。

ちなみにこの保険は積立方式なので、最高で800万円まで積み立てることができます。

そして大事なのが返戻金なのですが、この倒産防止共済制度は、一定の条件を満たすと解約時に全額返金されます。

解約時に返金を受けるためには、まず12ヶ月以上加入している必要があります。

12ヶ月以上加入することで、解約時に掛金の8割の返金を受ける事ができます。

この12ヶ月を経つ前に解約してしまった場合、それまでに支払った掛金は全額掛け捨てになってしまいますので注意してください。

そして40ヶ月以上加入することで、解約時にそれまで支払った掛金の全額が返金される制度となっています。

取引先が倒産した緊急時の資金繰りを無利子、無担保、無保証人で融通してくれる上に、掛金については40ヶ月以上加入していれば全額戻ってくるというのは、まさにコストパフォーマンスの上では非常に優れた保険であると言えるでしょう。

最後に融資額についてですが、緊急時に受けられる融資の金額は次のいずれか低い方の金額です。
 
①実際に取引先が倒産して回収できなくなった売上債権の金額
②今まで支払った掛金の10倍の金額(最高で8000万円まで)

基本的には掛金次第ですが、場合によっては実際に倒産で回収できなくなった金額よりも多い金額の融資を受けることも可能でしょう。

繰り返しですが無利子、無保証、無担保なのは公的支援ならではのありがたいところです。

3.節税対策にもおススメ

中小企業倒産防止共済をおススメしたいもうひとつの理由として、この共済制度に支払った金額は、その年の決算において全額損金に算入できるからです。

節税対策や決算対策の手段としては、車とか機械設備を購入したり、あるいは生命保険に加入したりなど色々と考えられるところは多いと思われますが、まずは何よりもこの中小企業倒産防止共済を一番おススメしたいところです。

なぜかと言えばこの共済制度は、先ほども説明しましたが40ヶ月以上加入することで解約時に全額返金を受けることができるからです。

損金として経費処理するためには毎月掛金を支払わなければならないのですが、最終的には解約時に支払ったお金は全額返ってきます。

経費として払っても全額返ってくるということは、つまり「実質的にタダで節税できてしまう」ということになります。

それも期間は40ヶ月なので、5年満期などの他の積立保険に比べても短いと言えるでしょう。

緊急時の資金繰りで会社を倒産の危機から守ってくれて、融資もくどいようですが無利子、無担保、無保証で、おまけに解約時には全額返金されるため節税効果も非常に高い。

国の事業だからこそできるのかもしれませんが、以上の説明で非常に優れた保険制度であるという事がご理解いただけたかと思います。

まとめ

昨今のコロナ不況は経営環境を非常に厳しいものにしています。

しかしこのような危機というのは、常に経営環境には存在しています。

リスクマネジメントを考える上では、リスクは「やってくるかもしれない」ではなく、「必ずやってくる」と考えるべきでしょう。

その上で、この中小企業倒産防止共済制度への加入がなぜおススメなのかと言えば、不況で取引先が倒産した時に連鎖的に自分の会社が共倒れで倒産してしまう事を防いでくれて、なおかつコスト的にも節税対策としても非常にすぐれた保険だからです。

資金繰り対策もリスクマネジメントも、そして税金対策も会社を経営する上では避けては通れない厄介事ですが、それらを包括して、なおかつお手頃な金額から対策をすることができる中小企業倒産防止共済制度については前向きに加入を検討してみても良いのではないでしょうか。

ちなみに加入にあたっては地域の商工会や、あるいは取引先の各金融機関の本支店の方からお手続きいただけます。